今夏のパリ2024オリンピックで初めて実施された競技種目に「ブレイキン」がありました。しかし、その名前はそれまで耳にしたことがありません。わたしだけかもしれませんが…
「ブレイキン?」はたして、と思って実際の競技を見ると、なんと「ブレイクダンス」のことでした。
調べたところによると、「ブレイクダンス」と「ブレイキン」は同じダンスを指すもので、もともとのダンスの名称は「ブレイキン(Breaking)」が本家とのことです。しかし、日本ではその文化を広めたと言われる映画の邦画タイトルが「ブレイクダンス(Break Dance)」だったため、その和製英語がメディアを通して定着し、本家とは異なる呼び方が浸透しているのにはそうした背景があるとしています。
同様に、日本ではブレイキンを踊る人を「ブレイクダンサー」と呼びますが、こちらも正式名称ではなく、正しくはブレイキンを踊る男性を「Bボーイ」、女性を「Bガール」、性別問わずダンサーの総称を「ブレイカー」と呼ぶそうです。
*
ブレイキンは、身体動作を通して自分が何者であるか、自分がどのように生きてきて、何を大切にしているのかといったものを〝自己表現〟し、パーソナルな部分をアピールします。
激しい回転技などの大技やダイナミックなトリック、またダイナミックなパワームーブからいきなりフリーズする動きは、ブレイキンのもっともクールな一面であります。
フリーズとは、一連のムーブを締めくくるピタッと動きを止めるトリックです。
ブレイキンをより深く知るためには「ストリートカルチャー」に関する理解を深めることが欠かせません。
ストリートカルチャーとは、(1)1970年代のアメリカ、ニューヨークやカリフォルニアで生まれたヒップホップやスケートボードを起源に持つファッションや音楽などの総称、(2)ラップ、ブレイクダンス、落書き、スケートボードなどの文化の総称、(3)路地裏で誕生した遊びやファッションの総称です。
1970年代にニューヨークが経済破綻をして街には貧困層を中心に学校に通えなくなった子供で溢れかえりました。そんな子供達は路地裏に集まり、お金をかけずにおしゃれをしたり遊ぶことを始めました。みんなでラップをしたり、ブレイキンをしたり様々な安い古着を集めて自分だけのアイデンティティを求めていました。このような文化が広まり、貧困地域における少数派の文化でしたが、時間の経過と共に大衆化して現代では世界のメインストリームとなりました。
「ストリートカルチャー」の由来は、英語の「Street culture」からです。明確な定義はありませんが、1970年代に路地裏で誕生したヒップホップやスケートボード等の様々な文化を指すことが多いです。また、大衆文化の対比として「ストリートカルチャー」を指すこともありました。
*
以上は、ネットで調べた後知恵です。
以前、ブレイクダンスをTVで見たことはありますが、なんとなく〝反社会的〟なニオイがして好感がもてませんでした。
このたびTVのオリンピック番組をつけたら、たまたま「ブレイキン」をやっていて「ブレイクダンス」と同じことがわかりました。その番組の放送で、
≪1970年代のアメリカ・ニューヨークのサウスブロンクス地区が発祥のストリートダンス当時のサウスブロンクス地区では、不良グループ同士の抗争が激しく、流血事件にも発展することから、平和的に解決する手段としてダンスバトルが流行しました。ニューヨークに住むアフリカ系・ヒスパニック系が立ち上げた文化でもあるヒップホップダンスの一環として位置づけされたことが、ブレイキンの始まりです。≫
との解説を聞き、思わず〝素晴らしい!〟と喝采の声を上げました。争い事を平和裏に解決する「ダンスバトル」―― これぞオリンピック憲章「オリンピズムの根本原則」を体現するものであると感じました。
そして自己の心に巣くっていた「ブレイクダンス=反社会的」のイメージが起こった根源がわかり、同時に、人類が本来的に持っている「叡智」を信じることとしました。
ブレイキンは、「人間の闘争」に対する一つの結論を与えているのではないでしょうか。
ウクライナ-ロシア、イスラエル-ハマス… 国際紛争を解決するひとつの手立てとなればと思います。

そして競技を見続けた結果、日本の湯浅亜実選手、ダンサーネーム「B-Girl Ami」が優勝しました。ブレイキン女子で金メダルを獲得し、ブレイキンのオリンピック初代女王となりました。
めでたし、めでたし!
つづく