その154 「男女格差」について

 本年6月12日「世界経済フォーラム(WEF)」(スイスのシンクタンク)は、各国の男女格差の現状を評価した「Global Gender Gap Report」(グローバル・ジェンダーギャップ・レポート、「世界男女格差報告書」)の2024年版を発表しました。
 これによると、

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 日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中118位で、過去最低の順位だった前年(146カ国中125位)から小幅に持ち直した。しかし政治・経済分野は低迷が続き、男女格差が埋まっていない現状が改めて示されている。
 報告書は、各国の男女格差を「経済」「教育」「健康」「政治」の4分野で評価し、国ごとのジェンダー平等の達成度を指数にしている。
 この「世界男女格差報告書」の公表は2006年に始まり、今回が18回目である。
 1位は15年連続アイスランドで、2位がフィンランド、3位がノルウェーで、上位を北欧諸国が占めた。
 G7(主要7カ国)をみると、ドイツ(7位)、イギリス(14位)、フランス(22位)、カナダ(36位)、アメリカ(43位)、イタリア(87位)と続き、日本は最下位だった。
 アジアではフィリピン(25位)、シンガポール(48位)の順位が高く、日本は韓国(94位)、中国(106位)を下回る状況が続いている。
 この調査は毎年この時期行っており、「政治」「経済」「教育」「健康」について男女参画の度合いを数値化したもの。
・ 国会議員(衆院議員)の女性割合:129位(昨年133位)
・ 閣僚の女性割合:65位(昨年120位)
・ 女性の労働参加率:80位(昨年83位)
・ 同一労働における賃金格差:83位(昨年100位)
・ 管理職の女性割合:130位(昨年130位)

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としています。
 この発表を見るかぎり「日本は性差別が根強いんだ」「日本は遅れているんだ」と思ってしまいます。

 これと同じような調査で「ジェンダー不平等指数」があります。
 「ジェンダー不平等指数」(英: Gender Inequality Index、GII)は、国連開発計画(UNDP)が『人間開発報告書2010』で導入したジェンダー格差の測定指標です。

 「ジェンダー不平等指数」は、次の5つの項目おける達成度の、女性と男性の間の不平等を指数で表し指数が少ない方がジェンダー不平等は少ないというものです
1.妊産婦死亡率
2.両性が立法府の議席に占める割合
3.両性の中等・高等教育の達成度
4.労働市場への参加
5.女性の就労率

 2019年に算出された「ジェンダー不平等指数」162か国の順位は以下の通りです。
1位 スイス
2位 ノルウェー
3位 フィンランド
4位 オランダ
4位 デンマーク
6位 スウェーデン
6位 ベルギー
7位 韓国
8位 フランス
9位 アイスランド
10位 スロベニア

 以上がベスト10ですが、ちなみに日本(17位)で、主要国では、カナダ(19位)、ドイツ(20位)、イギリス(26位)、中国(39位)、アメリカ(46位)、ロシア(50位)となっています。
 これらについてある統計データ分析家は、
「統計を専門とする私としては、奇妙に感じることがある。それは国連の専門機関の一つである国連開発計画(UNDP)が刊行する人間開発報告書で作成されている『ジェンダー不平等指数』の結果はあまり報じられないのに、この世界経済フォーラムの『ジェンダーギャップ指数』は公表されるたびに必ず報道され、話題となることだ。」

とし、「ジェンダーギャップ指数」では、
「マスコミは女性がひどく差別される国=日本という論調ですが、2019年の国連『ジェンダー不平等指数』では162カ国中17位で、米英などより順位は上でした。また、日本の男性より女性のほうが一貫して幸福度が高いという調査もあります」
と指摘しています。

 そもそも何をもってジェンダーギャップというかは、定義によって変わってくるんですが…
 だいたい日本のマスコミは、わが国を貶める報道は喜んでしますが、日本が優っているという報道は余りしたがりません。

 同様に、スイスのシンクタンクの「ジェンダーギャップ指数」は発表するが、国連が行っている「ジェンダー不平等指数」については報道しません。
 これは「ジェンダーギャップ指数」のほうが日本の男女平等度のランキングがずっと低く(女性差別社会)、その分、目立っていて取り上げやすいからでしょう。

 先ほどの「日本の男性より女性のほうが一貫して幸福度が高い」について、どうして日本の女性の幸福度が男性より高いのか。それについての定説はないそうですが、日本は根強く男性優位社会(=男性のほうが幸福)であるという一般的な通念と矛盾するので看過されてしまっているのでしょう。

 また別の調査では、「もし今度、生まれ変わるとしたら男女どちらに生まれたいか」では、日本の女性の8割以上が「もう一度女に生まれたい」との結果が出ています。
 これは国際比較の中で非常に高いものです。
 他の国では「次は男に生まれたい」と圧倒的に多くの女性が答えている中で、日本女性の8割以上が「もう一度女に生まれたい」との回答であったそうです。
 新宿剣連の女性剣士の皆さん、いかがでしょうか。ぜひコメントをお寄せください。
つづく

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