暑中見舞い申し上げます。
長かった梅雨もやっと明けてくれました。
いよいよ本格的な夏の到来です。
関東甲信と東海地方が梅雨明けした8月1日(土)、ひさびさに新宿スポーツセンターに足を運び、一般の部「60歳以上」の稽古を拝見しました。
昨今、コロナ禍の下、なにかと悪しく取り沙汰されている〝新宿〟ゆえ、その連想を引きずったまま道場に顔を出しました。
が、なんと、整然と日本剣道形の稽古が行われているではありませんか。
しかも本格的な剣道形講習会のごとく、栗原先生が自ら、逐一、手本を示し、説明をほどこし、凜々しくも懇切丁寧に指導されておりました。
面をつけての稽古は、基本と回り稽古を合わせ10分余りと短いものでしたが、しっかり全剣連のガイドラインに則って行われておりました。
2月半ばから約半年ぶりに道場に顔を出しましたが、皆さんのマスクをつけた剣道着姿を拝見し、通常の活動に戻るには今しばらく月日の経過を要すると痛感した次第です。
私自身、まだ対人稽古は始めておらず、独り稽古をもっぱらとしております。
年齢、体力と相談しつつ、できるだけ早い復帰を目指します。
ところで申し遅れましたが、このたび全剣連の役員改選により、3月17日付をもって全日本剣道連盟副会長を仰せつかることとなりました。
身に余る重職ではありますが、剣道の普及振興のため尽力する所存ですので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
奇しくも起こったコロナ禍の下、ことごとく行事が中止や延期を余儀なくされております。
マスクやシールドの着用、また、いわゆる「三密」を避けるなど、さまざまな制約を受けての剣道の活動となりますが、この状況はしばらく続くと思われます。
このように逼塞した状況下にある剣道界ですが、今この時にこそ、コロナ後を見すえ、文化としての新たな基軸を模索しつつ、じわじわ匍匐前進してして参りましょう。
剣道はこれまでも、幾度もの苦難を乗り越え、ここまで歩んできました。伝統に支えられながらも、社会の変容を受け入れつつ進化し現在があります。
また、この度のコロナ受難も、剣道の文化としての洗練度を高める契機となる、と密かな期待を抱いております。
戦後、女子剣道が勃興し、昨今の隆盛をみた最大の理由は、安全性が確保されたことでした。
当時はまだ3K(「危険」「汚い」「臭い」)という言葉自体はありませんでしたが、剣道はまさに3Kそのものでありました。
それが時の変遷により次第に、足がらみ、スコップ突き、組み討ちなどの荒技が姿を消しました。いまでは見事、それらの技は放逐されました。
まさに文化としての洗練度を高めたといって過言ではありません。
コロナ後にもう一つ、洗練度を高めるキーワードは何かと申せば、それは「清潔」と考えます。
マスクやシールドの着用に加え、防具類に対しても今まで以上の清潔さが求められるようになると思われます。
「強く」「きれいで」「しなやかに」
この合言葉でもって、皆さんとともに3Kから完全脱却いたしましょう。
皆さん、これから猛暑の本番を迎えます。
熱中症にならぬよう万全を期し、今夏を乗り切ってください。
ご自愛専一のほどお祈り申し上げます。
井蛙剣士 頓真